土曜日の晩。
夜にPCでサイト閲覧していたら、急に電源が落ちた。
HDが動いてなくて良かった……と思いながらまた動かすと、また落ちる。
再起動したり、セーフモードで立ち上がったり。

日曜も壊れたままだった。
僕は日曜中にメールで提出しなけりゃいけない課題があったので、不安に思いながらもメールを書く。
粗方書き終わったので、背伸びをしたら、その瞬間に落ちた。
やるせない気持ちでもう1度、今度はこまめに保存しながらメールを書き、何度も電源が切れるのにイライラしながらも課題を提出。

今日はこの程度だから良かったが、これからがシュウカツの時期。
PCが使えなくなるとお話にならない。
このまま行くとHDが間違いなくクラッシュする。
サポセンに電話するべきかと思ったが、とりあえずPCに詳しいゼミの先輩に相談し、うちに来てPCを見てもらうことにした。

先輩に来てもらった時には、電源がなかなか入らないまでに状態は悪化していた。
ウィルスの可能性も疑ったが、うちはOSがMeなのでブラスターは感染しようがない。
新種のウィルスか?と勘繰りつつマイクロソフトのアップデートやディスクエラーチェック、ウィルススキャンを試みるも、電源が落ちて上手く行かない。

「電源がいかれてるのかもな。だとしたら俺の手に負えないよ」と先輩が言う。
企業説明会のメールを出したばかりでその返信を受けていなかったので、修理は避けたい。
「配線が外れかかってんじゃないのか?」と先輩がPCデスクを引き出して裏手に回る。
「……おい、ぼの(仮名)、コンセント抜けかかってるぞ」

コンセントを刺しなおした僕のPCは、今日もすこぶる快調です。
いじめれたことは、ありますか。
僕は、中学の時にいじめまがいのことはされたことがあります。
良い友達がいたことと、負けず嫌いの性分で不登校はしませんでしたが、中学を卒業してから道端で偶然出会った当時のクラスメートに「よく学校来るよな、と思ってた」と言われた事はありました。

この『星空マウス』の主人公である、高校生の「ぼく」もいじめられっこです。
彼は不良グループと、陰湿ないじめをする暴力ストーカーみたいな奴に昼夜問わずいじめられていました。
そんな折に、新学期を迎えて編入してきたIくん。
彼はいじめの事実に気がつき、「ぼく」を親友として守ってくれるようになります。

この世は真面目な、「人類は皆兄弟、話し合えば分かり合える」なんて思っている人には真に生き辛い世界でしょう。
悲しいけど、現実です。
そんな信念を捨てられない「ぼく」にIくんが教えた「生き延びるための手段」
学校も大人も教えてくれない、本当に必要なこと。
昔のIくんのような「ぼく」のための。
「友情」という言葉がこれほど似合う物語に、久しぶりに出会った気がします。
防波堤の上で彼らが語り合う、そんなシーンは、特に。

だから、結末はとても悲しい。
1章のラストの一行、
「そう、僕はいつも彼の背中ばかり見ていた。」
この文が、全てのように思えました。
Iくんが時には異様に思えるほど「ぼく」のために心を砕く理由も、わかりました。
そして、もっと悲しくなりました。

でも、何故か暖かさ、美しさが作品には広がっています。
話はとてもすっきりと描かれていて、「ぼく」と「Iくん」のエピソードには微笑ましいものも、心に染み渡るものも、いろいろと感じ取れるものがあります。
約130ページという短さなのですぐに読み終えることができるので、本に慣れていない人にもお薦めします。

この文を読んで下さっているあなたはきっと、僕を直接知らないでしょう。
恐らく僕も、あなたを知りません。
でも、だからこそ、精一杯大きな声で伝えたいです。

防波堤の上には彼らの、そしてあなたたちへの友情があります。
だから、絶対にそれより先に進まないでください。
夕日の海に魅せられて、進まないでください。

これは、いじめられた経験を持つ作者と、僕からの心からの願いです。

世界は、モノクロームではありません。
未来は、悲しいことばかりではありません。
絶対に。
-----------------------------------
中園直樹著『星空マウス』文芸社、2003
起きたら大雨だった。
観光、どうしよう……。
母達は15時前後の新幹線に乗るつもりだという。
これでも、帰り着けば20時なのだ。

母は芦ノ湖に行きたいと言っていた。
ホテルをチェックアウトして箱根湯元駅に着いた頃には雨も治まってきたので、とりあえず向かってみようとすると、観光タクシーのおっちゃんに声をかけられた。
どこに行こうとしているか話すと、悪天候のためにロープウェイも船も止まっていると言うではないか。
……本当にどうしよう。

おっちゃんの勧誘が始まった。
3時間24000円で箱根の山をぐるっと案内してくれると言う。
僕は訝しがって反対したのだが、僕は来ようと思えばすぐ箱根に来れるのに対し、母達は滅多に来れるものではない。
母達が乗り気だったので、連れて行ってもらうことにした。

まず、ガラスの森美術館。
ベネチアングラスを中心に集められた作品の数々は美しいものばかり。
特に、ジャズシンガーを模した2つのガラス人形がコミカルで惹かれた。
昔のものには一見ガラスには見えないものもあり、歴史の深さと面白さが少しわかった気がする。
40分という時間制限がなければ、もっとゆっくり見れたのに。

おっちゃんは、空いている道、良い景色の見れる道を知り尽くしているようで、尋常じゃない坂道に突っ込んではいろいろ紹介してくれた。
旧東海道の石畳や、芦ノ湖が一望できる坂とか。
箱根神社にも、急な階段を上ることなくすぐに本殿まで行くことができたし。
おみくじが大吉だったのでしっかり財布にしまって持って帰ってきた。

寄木細工の店で母と祖母が土産を選んでいる時におっちゃんと話していたのだが、どうやら祖母のことを気に入ったらしい。
元気で、トイレにいった祖母を待っていたところ、祖母が駆け足で車に戻ってきたことに驚いたとか何とか。
確かに72歳で以前と比べて疲れやすくはなったようだが、今でも趣味で畑を一人で耕しており、この夏には甘いスイカを家まで持ってくるような祖母だ。
しかも週5でバイトまでしている。
まだまだ弱るどころか、女1人で十分姦しい。
でも、「大事にしてあげなよ」という言葉はまさにその通りだと思う。

約3時間箱根の山を走り回ってもらい、小田原の駅まで送ってもらった。
おっちゃん、疑ってごめんなさい。

それから、新幹線で新横浜に移動。
贅を凝らした旅行もこれでお終いになる。
新横浜から新幹線で帰る母達に、夕食となるシウマイ弁当を買ってもらい、別れた。
もう滅多に水入らずの旅行なんてしなくなった。
いい思い出になったのではないか、と思う。

これで、大雨の影響で電車が遅れなければなぁ……。

極楽。

2003年10月12日
朝11時ごろ、行動開始。
まず、母がずっと「あんたが行ってる大学を見たい」と言っていたので、案内した。
それから、東京にせっかく来たのだから箱根の前に何か見ていこうということになり、国会議事堂まで行ってきた。
僕はもう何度も見に来ており、来るたびにその威風堂々ぶりに感動しているのだが、母は
「思ったより小さい……」
と漏らしていた。そうかなぁ。

当初は小田急線特急で行くつもりだったが、特に祖母に疲れの色が見えたので特急ロマンスカーで箱根湯本に行くことに。
初ロマンスカー、片道2020円。
親がいるからできる贅沢だ。

1時間半の快適な旅、着いた時にはもう18時半だった。
真っ暗で観光もできそうにないので、ホテルにチェックイン。
夕飯には舟盛りに味噌味の鍋、栗おこわ、天ぷらなどまたも親がいるからできる贅沢を楽しみ、大きな風呂や露天風呂にゆっくり浸かり過ごした。

しあわせでした。

親が来る。

2003年10月11日
朝8時。母から電話。
「あんたの家のポストに鍵放り込んどいてな」
……え?

今日は、田舎から母と祖母がやってくる。
3連休を利用して、箱根に観光に行くのだ。
僕もそれにお供する。
だが、今日は僕は講義があるため、しかも呑み会までセットなので帰るのが11時ごろになる。
それで、今日母と祖母は僕の家の近くにホテルを取る予定だったのだが、生憎どこも満室だった。
で、僕の家が仕方なくねぐらに選ばれたわけである。
祖母はもう高齢なので、できれば狭苦しいうちでないほうが良かったのだが。

さて、僕は12時から後期初の就職講座。
先週行われた後期選抜試験にも合格できたので、これからも頑張れる。
初めに、後期試験の成績上位者10人が発表されたのだが、驚いたことに僕が8位入賞していた。
120点満点で102点。
今回は、10人中7人が僕のいるコース。
みんな頑張りすぎである。

今日の講座は、自己PRと作文。
自己PRは「真面目なのは伝わってくるのだけど、固い印象を受ける」と。
もっと言葉を選んで、別のエピソードを模索してみよう。

作文は、今年の日本テレビの題材より。
「鶴の恩返しの登場人物とタイトルを変えずに、別の結末を創作せよ」というもの。
こういった作文は新鮮で楽しい。
自己PRにつなげなくて済むし。
ただ、上手く書けるかどうかは別問題……。

講座後、秋からのメンバーを迎えて歓迎会。
3人いる秋生のうち、1人しか来てくれなかったのは寂しいけれど。
2部屋に分かれてしまったけれども、カラオケがあったばかりに異様なほどの盛り上がりを見せてしまう。
モー娘。で踊るわ、ブルーハーツ熱唱するわ、爆風スランプで叫ぶわ……。
ほんと、ノリと仲の良さは群を抜くと思う。

すっかりいい気分で帰ってきたのは11時半。
部屋を開けると、母が出迎えてくれた。
しかし、奥にある部屋が、きれい過ぎる。
3時ごろに到着した母達が、大掃除を敢行してくれていた。
2人に不要と思われたものは徹底的に排除され、シンク回りからトイレまで見違えていた。
以前までの部屋が普通と思っていた僕は一体。

翌日は箱根に行く。
とっとと就寝した。

某所で「いい」と言われていたので手に取ってみた。
はじめて読む浅田作品。

そりの合わない父親に反発して家を出た真次。
25年ほど前に家を出てから、一度も実家のある新中野に近付いたことはなかった。
ある日、真次が地下鉄永田町駅から赤坂見附駅に渡る地下道の途中の階段を上ると、そこには新中野駅前の風景が広がっていたーーただし、30年前の。
彼は地下鉄を利用するたびに、時代を遡る。
彼の前に自殺した兄が、大嫌いな父が現れ、そして知らなかったことを、次々と知らされることになる。

「タイムスリップ」という話も、「過去の誰かの人生を順繰りに見ていく」のもよく有る話。
でも、これは戦後、戦中、戦前と遡っていく。
「未来に希望を持っていた父がどのように荒んでいったか」ではなく、「荒んだ父が昔はどのような人物だったか」を見ていく。
今後、どのような人生を歩んでいくかわかっているぶんだけ、出征前に父が真次に熱く夢を語る場面はとても悲しかった。
でも、学校で読んでいたから人前で泣くわけにもいかず。

過去の父の行動を見て、真次の心は完全に、とは言えなくても少し氷解した、はず。
父が今の地位を手に入れるために死に物狂いだったことを理解したから。
そして、それに自分が加担していたことが、わかったから。

兄の自殺、終戦後の父の行動、そして、同じ会社で働き、真次と同じように地下鉄でタイムスリップを起こすみち子。
全てが最後で一本に繋がる。
よく練られている話、という印象だ。

でも、兄の自殺が「変えられない運命」だったのなら、みち子が生まれてきたことも「変えられない運命」であって欲しかった。
奇跡的に、助かって欲しかった。
この作品で、大きく人生を変えられたのは彼女だけだ。
いや、「人生」すら送れなくなったのだが。

そして、一番責められるべきなのは、もしかすると真次の母では……。

真次の言動に不可解というか、「今話すべきことじゃないだろう」と思わされることもある。
話の締め方も、急に明るくなる感じで違和感を覚えるけれども、とても面白かった。
僕のフィーリングにあったこの本の感じが浅田氏の作風だとしたら、なお嬉しい。

-----------------------------
浅田次郎著『地下鉄(メトロ)に乗って、講談社文庫、1999

読書。

2003年10月7日
保坂和志の『カンバセイション・ピース』を読んでいたんですが、100ページ超えたあたりで挫折した。
100ページ超えても何の盛り上がりも見せない、と言うのは別に平気なのだが、(重松の「さつき断景」もそんな感じだし)問題は書き方。
異様なほど句点がない。
一度句点で区切って書き直したほうがすっきりしそうな文章も、全て読点でつなげてしまう。
祖母が住んでいた大きな家が舞台なのだが、部屋の見取り図を文字で表現したり、主人公がどれだけ横浜ファンなのかの描写も回りくどく、分かりづらい。
少し読みにくいくらいなら
「これからが面白いかも」
と何とか読みきる僕なのだが、さすがに読点でつなぎまくって、15行句点がない文を読んだ時には
「もうダメだ……」
と思った。
そんなに苦労して、疲れてまで読みたくない。
期待してたんだけどなぁ。

その代わりに読み始めたのが、浅田次郎の『地下鉄(メトロ)に乗って』
すごく読みやすくて引き込まれていく。
展開も、これからが面白そう、というところだ。
浅田次郎ははじめてだったけど、お気に入りになりそうかも。
一生懸命書いたのが全部消えた。
気力が減退しているので、端折って書きます。

休団中の身ですが、楽団の依頼演奏に参加してきました。
小・中学校とのジョイントコンサートに。

ステージ衣装に着替えようと更衣室に向かっている途中で出会った小学生(10歳)に「おじさん」呼ばわりされて落ち込んでます。
確かに、年上には見られがちですが。
まだ21なのに。

初見には厳しい曲が多かったですが、何とかついていけてとても楽しく吹けました。
やっぱり、大人数で難しい曲に挑戦していくのが楽しいんです。
これから忙しいけど、思い切って復団して11月下旬の演奏会に乗せてもらおうかな、と思っている今夜。
まだまだ悩み中ですけどね。

今日の日記

2003年10月3日
考え過ぎなんだとは思うけど。
自意識過剰なんだと思うけど。
 
 
 
 
 
自分が悪者のような気分に苛まされています。
 
 
 
 

10月1日〜2日と、
内定式で東京に来られていたキリンー32氏を迎撃しました。

テーマ:就活から内定まで

ポイント:説明会はとりあえず行ってみればいい。
     思ったより良さそうな企業や、
     絶対行きたくない、と思わせる点が見つかる
     
     内定式でも呑みすぎは禁物。
     お世話になった先輩社員に「お前誰や!」とか言ってしまうから

     そして朝ごはんを食べられないと、
     天ぷらの幻覚を見る。

     西郷さんは錆びてました。

     そして「老婆」の線引きは曖昧。

反省点:「浅草に行く」とは決まっていたんだから、
    付近の名所くらい調べとけよ、自分。
  
気になった点:確かに相手は殺人犯だが、
       絵馬に「死刑祈願」はないだろ。

       おでんの具に鶏肉は是か非か。
       お雑煮の具にあん餅は是か非か。

何だかんだ言って、喋りとおしていた気がします。
テンションあがると活舌が滅茶苦茶悪いので、さぞ話し難かっただろうと……。
色々と参考になるお話も聞かせていただきました。
ありがとうございました。
次関西に行く時には、是非アパッチをこの目で見てみたいです。

重松清著『疾走』

2003年9月28日
2段構成、約500ページ。
重松作品の中では、恐らく最長だろう。
表紙の怖さに圧倒されつつ、読み始めた。

とある海辺の町で育ったシュウジ。父、母、兄と友達に囲まれた彼は、ごく普通の少年だった。しかし、干拓地でレジャー施設の開発が始まってから、兄が高校に入学してから、何かが狂った。彼は12歳から先の人生を、波乱の中駆け抜けることになる。

やはり「にんげん」は一人では生きられないのだと思う。
シュウジは「強いひとり」にはなり切れず、シュウジが「強いひとり」だと思い込んでいたエリも、そうはなれていなかった。
そして、彼の周りの人間も「よわいにんげん」ばかりで、でもそれは自然なことなんだと思う。
ただ、その「よわさ」を認めたくなくて、周りに責任をぶつけたがる人が多くて。

彼の駆け抜けた人生は何と言うか。
あまりにも理不尽すぎて、読んでるほうが身がつまされる思いだ。
ふるさとにいた頃、町を出、大阪、東京。
そして帰ってきたふるさと。
行く先々で、我々が殆ど体験しないであろうことが襲い掛かる。
彼には何故、こんな出来事しか起こらないんだろう。
干拓地がレジャー施設化されることが決まったから?
兄が高校に入学したから?
それとも……彼が、生まれたから?

友達からも家族からも見放された彼は「孤独」でも「孤立」でもない「孤高」になりたくてそう振舞っていたが、誰かと少しでも繋がってしまえば、緊張の糸がぷっつり切れて年相応の少年に戻ってしまう。
強がっているけど、本心は。
その気持ちはよくわかる。
彼の人生の壮絶さの足元にも及ばないが、僕が誰も知り合いのいない東京に引っ越してきた頃、そんな感じだったから。
人前ではそんな風に見せなかったけど、ただ寂しかった。

残虐的、猟奇的な表現や生々しい表現が随所に見られるが、この作品を書き上げるには仕方が無いだろう。
三人称で主人公が「おまえ」と呼ばれている、突き放したような書き方もとても合っている。

守ること、守られること、見捨てること、見捨てられること全てを普通じゃない形で経験し、全力で生きた彼の人生は、肯定/否定で語るようなことじゃない。
予想しなかった展開が次々起きるので、入り込めば一気に読める。
長文に免疫があるなら、どうぞ。
1限から講義に出て、5限のゼミが終わると我々が向かうのは立ち呑み屋。
学校が始まったので、これからまた「木曜は立ち呑み」という習慣が復活する。
昨年からの固定メンバー(男2、女1)の中では、会うと「木曜立ち呑みでしょ?」「もちろん!」と言う会話が交わされていた。

この日はゼミが4時半に終わってしまったので、ちょうど店に着く頃に開店する。
そこになだれ込もう、ということになった。
普段なら3〜5人で慎ましく一角を占領するのだが、今日は後輩にも声をかけたところ、8人という大所帯になってしまった。
しかも後から3人合流する。
店の定員はせいぜい20人。
店からしてみると、迷惑極まりないのかもしれない。

カウンターの端から中心くらいまで全部占領して、飲む。騒ぐ。
途中で3人合流し、さらに盛り上がっていたところ、隣で一人で呑んでいたおっちゃんに話し掛けられた。
高校を卒業してから42年働き、今は悠々とした年金暮らしだとか。
旅と高校野球が好きで、色々なところを旅行しては甲子園出場校を見に行っているらしい。
そういった類の話を1時間ほど訥々と聞いて、相槌を打っていた。
滑舌の悪いおっちゃんと、少し耳が悪い僕なので時々訳の分からんまま返事していたが、会話が澱むことなかったのでいいだろう。
上機嫌で帰っていくおっちゃんを見送ってゼミ友の方に振り返ると、僕はもうゼミ生ではないような扱いをされていた。

5時から10時まで、5時間粘った。
こんなに粘ったのは史上初である。
11人で21000円食べたのもうちらぐらいだろう。
それから6人で今度はファミレスで休憩し、4人で久しぶりに麻雀。
「3半荘でやめよう」と言っていたのに、何故朝7時までやってしまったのだろう。
しかも負けた。
おかげで翌日は、屍のようだった…。

ふう。

2003年9月23日
レポート間に合いましたー。
本当、なんとかなるもんですね。
あとは、提出し忘れないようにするのみ。

そして、またも読みたい本追加。

乙一「夏と花火と私の死体」
  「ZOO」

宝くじとか当たったら、大きな本屋に行って、目に付いた本を片っ端から取り上げ、両手に抱えきれないくらいレジに持っていってみたい。

今日の日記

2003年9月21日
夜中、布団に入っていても寝付けない。
外で台風の風の音が聞こえていたので、どんなものかと思って窓を開けてみた。

あんなに冷たい台風ははじめてだった。
冷たい風って、どうしてあんなに澄んでいるように感じるんだろう。
ピン、と張り詰めたような空気が心地よかった。
雨が入ってくるからすぐに窓は閉めたけど。

過ごしやすい秋が来て、私が苦手な冬へと導きます。

あぁ、読みたい。

2003年9月18日
どうしましょう。
あと3日でレポート3つ終わらせなきゃいけません。
どれも2000字程度だからまだ助かったけど、1冊指定の本を読まなければいけないのが辛いところ。

そんな時に読書熱は高まるばかり。
本屋に行けば1冊は小説を買ってきてしまいます。

今取り組んでいる本:
『疾走』重松清

待機中の本:
『見張り搭から ずっと』重松清
『日曜日の夕刊』重松清
『地下鉄(メトロ)に乗って』浅田次郎
『13階段』高野和明
『カンバセイション・ピース』保坂和志

読みたい本:
『4TEEN』石田衣良
『殺人の門』東野圭吾
『コッペリア』加納朋子

全部読める日はいつの日やら。
ハッピーマンデーのお陰で3連休。
お陰でわし、神様もとっても暇じゃ。
そうだのう、今から電話で話そうとしておるあの高校生カップルの話でも盗聴してみようかの。

女「もしもし!?今なにしてんのよ?」
男「ん?家でゲーム。」
女「何で家なのよ?今日は17時から会う約束だったでしょ!お陰でタウンワーク1時間よ。」
男「え?バイト情報誌が何?」
女「バイト情報誌じゃないわよ。タウンワーク=街のわく=待ち枠。待ち時間のことよ。」
男「ちょ、ちょっと苦しくないか?」
女「そんなことよりマモル、まさか今日が何の日か忘れたんじゃないでしょうね?」
男「え?敬老の日で……他何かあったっけ?」
女「信じらんない!今日は私とマモルが付き合って1年目のアンバサじゃない!!」
男「はぁ?俺とキョウコの……乳酸菌飲料水?」
女「何言ってんのよ?アンバサっていうのは、アニバーサリーの略じゃない!」
男「そんな言葉使ってる奴いねぇよ!」
女「本当に何も知らないのね!流行語大賞取りそうな勢いよ!」
男「俺、最近の女子高生ってわかんねーよ。何だよその言葉……。」
女「マモルが知らなすぎるのよ。まだ17の癖に。そう言えば、ゲームって、マモルまたあの野球ゲームやってんの?よく飽きないわね。」
男「俺やっぱこのころの巨人が好きなんだよねー。上原出てきたばっかの。実際には2位だったけどさ、だから俺がいつも優勝させてんの。」
女「ほんと子供なんだから……いいから早く出てきてよ。一緒にお祝いしたいんだからさ。」
男「わかったよ。マジごめんな。」
女「こんだけ待たせてくれたんだからね。何買ってもらおうかなー?」

ふーむ、わしもあまり最近の女子高生の言葉に詳しいわけじゃないが、この男の流行も、実況パワフルプロ野球99開幕版の頃のまま止まっておるようじゃの。
いや、しかし仲の良いカップルじゃ。
あの2人、これからも上手くやってくれたらええのう。

YEAH!!!!!

2003年9月15日
18年ぶりの阪神優勝!!!
ただただ、嬉しいです!
もし大阪に住んでれば、飛び込みはしないけど道頓堀やら戎橋やらなかもずで、知らん人と騒ぎまくるのになぁ。
昨日、電車に乗るためにホームで並んでいたんですが。
前に並んでいた女性が持っていた、

「175R養成ノート」

とはどういったものなのか、ものすごく、ものすごく気になっています。
手書きではなく、ちゃんとPCで作られたピンク色の紙(2枚)でした。
詳細をご存知の方、情報をお待ちしています。


今日からゼミの合宿で、千葉のほうまで行ってきます。
楽しんできます。


sinoryさん(お気に入り参照)が所属している(はず)の、マンドリンオーケストラの演奏会に行ってきました。

会場は葛飾区の、かつしかシンフォニーホール。
青砥駅からホールまでの案内板があったので、さすがに迷わずに辿り着けた。

このバンドは本拠地が京都なので今回はアウェー公演となる。
それでも客の入りは上々。
しかも回りはみんな知り合いかのように、「今日○○さん見ねぇな」とか言っている。
これは、マンドリンクラブなどの仲間のことを言っているのか。
それとも、京都から参上する熱烈なファンの集いでもあるのか。
しかし、元の母体となるバンドがあったとはいえ、旗揚げ公演の次の公演が遠征とは凄い気がする。
しかもパンフレットを見ると、北海道公演まで決定している。
どんなバンドなんだ、ここは。

会場から少し遅れたのでベストポジションは取れなかったが、まぁまぁ全体を見渡せる位置に陣取る。
マンドリンオーケストラだからマンドリン以外使わないのかと思っていたら、コントラバスやパーカッションがしっかり使われていた。
確かに、打楽器入るとかなり張りも出るし、マンドローネ1本じゃ低音少なすぎるしなぁ。

そうこう考えているうちに、開演。

マンドリンの曲を本格的に聴くのは初めてだったが、強く思ったことは「繊細」だということだ。
ギターのように弦を弾く楽器なので間延びしない。音が細やかなので、普段吹奏楽団の爆音の中で過ごしている僕にはとても新鮮だった。
「シチリア島の夕べの祈り」は吹奏楽でもメジャーな曲だが、曲の感じが全然違うのだ。
「ジャンニ・スキッキより」は、「あれ?これだけ……?」と思うくらい短く終わってしまったが。

しかしこの2曲を聞いての一番強い感想は、「よくあの指揮で弾けるなぁ……」だった。
全然拍が読めなかった。

次は「マンドリンオーケストラのための”燦”」
和太鼓が使われている和風の曲だ。
3楽章全てが日本音階の曲なのでとても耳馴染が良く、聴き易かった。
2楽章の雅楽的印象部の、マンドリンソロも素晴らしい。
どうしてあんなに速く指が回るのだろう。
右手だって弾きっぱなしなのに何で混乱しないのだろう。

3楽章は「祭」と言った感じか。
最終部はかなりの盛り上がりを見せたが、弦楽器が和太鼓の音に負けていたような気がした。
太鼓が大きいのか、弦楽器が小さいのか……?

20分の休憩を挟み、2部。
「風の軌跡〜マンドリンオーケストラのための〜」は、今回の演奏会の白眉だと思う。
マンドリンの主旋もいいのだが、マンドラ、マンドロンチェロの対旋律が凄く綺麗なのだ。
僕も普段は主旋より対旋律を演奏する側なので、ついそっちに耳が行ってしまう。
曲全体としては、草原を舞台に様々な風が吹いていく移り変わりを描いたような感じ。
昼間、少し強い爽やかな風が吹いていたが日が暮れるにつれて力強い突風になり、それがだんだん治まって終曲を迎える、ような。
もう一度聞きたい。

前2曲の影響が強いためか、聴き疲れが見えてきたのか、最後の「影」はあまり記憶に残っていない……。
コンサートマスターの、トリルを多用したマンドリンソロが素晴らしかったのは覚えているのだが。
作りはとても歌劇っぽかった。
静かな部分と壮大な部分で織り成されている。
これも疲れてない状態で、もう一度聞きたい。

アンコールに「ジブリメドレー」。
「さんぽ」「もののけ姫」「君を乗せて」など、人気曲を詰め込んだ特別編曲だった。
「君を乗せて」はこの間吹奏楽版をやったばかりだったのだが、やはり楽器が変われば印象はかなり違う。
改めて、マンドリンの繊細さを思い知らされた。
「風の通り道」聞きたかったな。

「コンサートのアンコールは2曲」という先入観があったので1曲で終わったのには「あれ?」と思ったが、20分の休憩を省くと6曲で約100分。
1曲あたりの時間がすごく長いと思う。

sinoryさんに一言ご挨拶したかったがどうやら団員のお見送りはない模様。
前回の公演のCDを売っていたので1枚購入し、売っていた団員さんに「楽しかったです」と告げて帰ってきた。

今ごろ美味しいお酒呑んでるでしょうか。
お疲れ様でした。
目覚めると必ず夜だった。
月明かりもない真っ暗な。
スイッチを入れても電灯は点かない。
ずっと停電中なのか?
そう言えば、いつの間に俺は家に帰ってきたんだ?
昨日結婚式で、胴上げされたところまでは覚えているんだけど。
近所をうろついてみたけれど、妻、親兄弟、友達、顔馴染みに1人も会えない。
25年間住んだ町だ、知り合いはそこら中に住んでいるのに。
町で見かける人は、みんな俺が見えていないかのように話し掛けても無視をする。
何故だ?

今日起きても、やはり真っ暗だった。
何の光もないのに、何故かぼんやりと周りの様子がわかる。
今日も、知り合いを探しに行こうか。
いい加減誰かと会話がしたい。
もう4日も、他人と喋っていないんだ。

ずっと探し回ったのに、やはり一人も知り合いがいない。
いる奴も、誰も話をしてくれない。
本当にもう、気が狂いそうだ。

町外れの大きな川に沿って作られている公園のベンチに座って、頭を抱えていた。
泣きそうな顔をあげると、目の前で老婆がじっとこっちを見つめていた。
もしかして、俺が見えるのか……?
話し掛けようとした時、老婆が先に口を開いた。

「あんた何でここにいるんだい!
 ここはあんたがいていい場所じゃないんだよ!
 早く帰りな!」

……は?
何で怒ってんだよ。

「何だよ!帰るってなんのことだよ!
 みんな俺を無視しやがるし、話し掛けてくれたかと思ったら訳のわかんねぇこと言いやがって!
 大体誰なんだよあんた!」

老婆はしかめた顔を幾分緩めて、言った。

「何だい。
 帰り方わかんないのかい?
 じゃあ私が帰してやるから。
 もうしばらく来るんじゃないよ。いいかい?」

「いや、だからどういうことなんだよ。
 マジ訳わかんねぇって。
 説明してく……」

意識が遠のいていった。
優しく微笑む老婆の顔だけ見えた。

ベッドの上で目を覚ますと、側にいた母と妻が泣き崩れた。
訳がわからず聞くと、俺は胴上げで落とされた時に打ち所が悪くて、4日間気を失っていたそうだ。
「家にあった、あんたの思い出の品をいろいろ持ってきて、あんなことがあったね……て、ずっと話し掛けてたんだよ。」

枕元に、変色した画用紙にクレヨンで書かれた、下手な絵が立てかけてあった。
その下のミミズのような字は「おばあちゃん」と書かれていた。

「おばあちゃん、あんたが2歳の時に死んじゃったけど、あんたそんな絵描いてたんだよね。
 顔覚えてる?アルバムなんて見たことないでしょ。」

そっか。

< 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 >

 

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