新しいけど懐かしく、格好悪いくらいに格好いい……
2005年1月6日 読書
ISBN:4163230009 単行本 中村 航 文藝春秋 2004/06/09 ¥1,300
2割引で購入。
社割って最高。
大学を退学した小林。
塾講師をする傍ら、彼は携帯電話で教え子のヨシモクを騙ってバンドのメンバーを募集した。
指1本で始まった、彼の物語。
1冊の中に、たくさんの人の物語が詰まっている。
もちろん読む人によっては駄作に見えるかもしれないけれど、1つ1つがとても心に染み入ってくるのは何故だろう。
僕が体験したことではないのに。
小林の、他人の物語を引き出す能力と良く理解する能力が登場人物そのものの魅力を引き出している。
小林が始めるはずだった物語は途中で方向転換してしまうのだが、感動するような夕陽の中、ヨシモクの髪を切りながら自分の物かもしれなかった物語を語るシーンは、切なさと爽やかさが相まって胸の奥が熱くなった。
この部分の絵が頭の中にくっきり浮かんだのだが、ものすごく綺麗なのだ。
自分は1周周ったのだ、と思った彼の中に、これからの彼の物語の原点が見える気がする。
ビートルズの『ヘルター・スケルター』を聴いたことあったら、もっと楽しめたかもしれないな。
やはりこの人の文は柔らかく、けれど勢いやユーモアがあって最後まで飽きさせることがない。
まだ若いし、これからがとても楽しみな作家だ。
この本は、「自分には何が出来るか」「自分がやりたいことは何だろう」と悩んでいる人にお薦めしたい。
同時収録の『月に吠える』は、『ぐるぐる〜」の中であまり語られなかったてつろーとチバの物語。
こっちも、二人の色が良く出ていて気持ちのいい作品。
誰もが、自分のなかに物語を持っている。
僕にだって。
まだ22年間の物語、中身は薄いかもしれないけれど、これからどのようにでもページは増やせるはずだ。
今の時点で「自己紹介してください」と言われたら、何を語ろう。
「……そうですね、僕は自分のことを、目立ちたがりの臆病者だと思うんですよ……
2割引で購入。
社割って最高。
大学を退学した小林。
塾講師をする傍ら、彼は携帯電話で教え子のヨシモクを騙ってバンドのメンバーを募集した。
指1本で始まった、彼の物語。
1冊の中に、たくさんの人の物語が詰まっている。
もちろん読む人によっては駄作に見えるかもしれないけれど、1つ1つがとても心に染み入ってくるのは何故だろう。
僕が体験したことではないのに。
小林の、他人の物語を引き出す能力と良く理解する能力が登場人物そのものの魅力を引き出している。
小林が始めるはずだった物語は途中で方向転換してしまうのだが、感動するような夕陽の中、ヨシモクの髪を切りながら自分の物かもしれなかった物語を語るシーンは、切なさと爽やかさが相まって胸の奥が熱くなった。
この部分の絵が頭の中にくっきり浮かんだのだが、ものすごく綺麗なのだ。
自分は1周周ったのだ、と思った彼の中に、これからの彼の物語の原点が見える気がする。
ビートルズの『ヘルター・スケルター』を聴いたことあったら、もっと楽しめたかもしれないな。
やはりこの人の文は柔らかく、けれど勢いやユーモアがあって最後まで飽きさせることがない。
まだ若いし、これからがとても楽しみな作家だ。
この本は、「自分には何が出来るか」「自分がやりたいことは何だろう」と悩んでいる人にお薦めしたい。
同時収録の『月に吠える』は、『ぐるぐる〜」の中であまり語られなかったてつろーとチバの物語。
こっちも、二人の色が良く出ていて気持ちのいい作品。
誰もが、自分のなかに物語を持っている。
僕にだって。
まだ22年間の物語、中身は薄いかもしれないけれど、これからどのようにでもページは増やせるはずだ。
今の時点で「自己紹介してください」と言われたら、何を語ろう。
「……そうですね、僕は自分のことを、目立ちたがりの臆病者だと思うんですよ……
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