ドミノ

2004年4月22日 読書
ISBN:4043710011 文庫 恩田 陸 角川書店 2004/01 ¥580

最近、恩田陸さんの本が好きだ。
少しファンタジー色の強い、不思議な話が凄く上手い人だと思う。
まだ4作しか読んだことがないけれど、今のところ外れを引いていない。

で、これがその4作目。
表紙をめくってみると、小説には珍しい「登場人物紹介」
しかも27人プラス1匹。
普通なら考えられない人数だ。
生命保険会社の社員、オーディションを受けに来た子役、俳句の会のメンバー、ミステリー研究会の大学生、映画監督、別れ話をする男女、爆弾テロ組織……接点が見つかりそうもない面々が1つの大きな渦に飲み込まれていく。

話の展開はとてもスピード感がある。
「何で?何でここでこんなことに?」と思う暇もない。
違う道を歩んでいるはずの登場人物たちが、いつの間にか1つの道に合流し、その道の終着点になだれ込むのを必死に追うことしかできない。
だから、夜中眠いのも我慢して読んでいたら、翌日見事に大寝坊した。

この話はかなり極端なストーリーになってしまっているが、実際の人生もこんなものかな、と思う。
僕も、今のほほんと東京で過ごしていろいろな友達と出会ってきたし、日記でも全国の方と交流させていただいている。
よくある言い回しだが、気が遠くなるほど低い確率で出会ったんだと思う。
日記をはじめなかったら?
東京に来なかったら?
インターネットをはじめなかったら?

世の中って殆どが偶然で成り立っている気がする。
勉強や努力は「偶然それが起こる確率を上げる」ために必要なもの。
「水を電気分解すると水素と酸素になる」なんて必然の作用も、「偶然そのような成分や資質を持ち合わせただけ」というような考え方をしてしまうのが僕だ。
必然だって、偶然の産物だと思う。

結末は賛否両論あるような内容ではあるけれども、370ページあるのに全然疲れなくて一気に読める。
「ちょっと笑える、非現実的な話読みたい」と思ったら、お薦めします。

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