講座の友達に借りてばっかり。
だって、いつも面白そうな本持って来てたり、レビュー書いたりしてるんだから。

抽選に当てられたのは、幸だったのか不幸だったのか。
過ちを犯して死んだために二度と生まれ変われないはずだったぼくは、もう1度チャンスを与えられた。
ぼくは、とある服薬自殺直後の体に入り込み、その人として過ごし、魂のレベルアップを図る。
上手く行けば、もう1度輪廻のサイクルに戻れる。
僕は「小林真」となって、2度目の人生を始める。
本当は望んでいなかったんだけど、さ。

本音、か。
「ぼく」は真の家族についていろいろな情報を予め得ておくのだけれど、後にその情報との食い違いに驚かされることになる。
混乱することもあるだろうけど、人を思い込みだけで判断しちゃいけないな、と思う。
だからそのために、自分も相手も本心から語ることが必要だ。
人の心なんて読めないし、何もさらけ出さないで「わかってくれ」なんて無理だ。

一番好感持てるのは、真の兄の満かな。
何だか、うちの兄を思い出した。
そっくりとまではいかないけれど、共通している部分がかなり。

しかし、「ぼく」のガイド役を務める天使の軽いこと軽いこと。
「ぼく」が自分の過ちを思い出した時のシリアスな場面で「ピンポーン!」はないだろう。
最後のネタバレも軽くて、もうちょっと重く〆て欲しかったなぁ、というのが正直な気持ち。

だけれど、とても面白かった。
僕がもともとこういった系統の話が好きというのもあるけれども、読みやすくて展開も小気味良い。

家族との対話って、もっと必要だよなぁ。
この本のような展開になって初めてわかる家族の気持ち、なんていうのだけは嫌だ。
きっと、もっと自然に知ることができる。
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森絵都著『カラフル』 理論社、1998


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