11月はじめ、僕は京都の古本市を訪れていた。
ゼミの発表も近いので、そこで何か資料でも見つからないかな…と
雑誌のコーナーを漁っていたのだが、
そこで探り当ててしまった本、

「ドライブ野郎 BOOBOO 創刊号」

タイトルだけでものすごく惹かれる。
値段を見ると、1000円。昭和48年刊のしかも創刊号だ。
これくらいの値段がしても仕方がない。

悩んで、この日案内していただいていたぷこ嬢(お気に入り参照)
に雑誌を読んでもらい、カンパをお願いしてみた。
ぷこ嬢曰く、
「これは買うしかない!」
そうして400円ものカンパをしてくださった。
この場を借りてお礼申し上げたい。

京都から帰ってきて、BOOBOOにじっくり目を通す。
この当時の定番の言葉と言えば、やはり「ナウ」だろう。
至るところに散りばめられているが、この当時には
自然な言葉だったので糾弾するつもりはない。

「東京マル秘駐車料金0円の穴場」という特集発見。
「セチガライ世の中はどこも駐禁。そこで頭を使った
 ゲリラ・パーキング作戦を伝授しよう」らしい。

その記事は、
「紀ノ国屋 買い物客用のスペースがある。ただし買わないとダメ」
「ニュージャパン レシートがあればOKなのだ」
「赤坂プリンス ホテルに来た客からは一文も取らないいいホテル」
「東急ホテル プラザで買い物すれば駐車優待券がもらえます」
「ヒルトンホテル ホテル来訪者は全て無料」
「伊勢丹 2000円以上1万円以内買うと1時間タダ」

この辺は明らかに駐車料金のほうが安そうなのだが。
他にも、他大学の駐車場やアパートの裏路地など、
明らかに迷惑になりそうなところの駐車を勧めているのだが。
極めつけはこれか。

「池袋警察署 つかまるばかりが脳じゃない。
       たまには君からおしかけていけ。
       デッカイ駐車場がガラアキだ。 」

「デパートの時は売り場の可愛子ちゃんを口説いて
 駐車権に印をついてもらおう          」

人物の目線が合ってない、妙に睫毛の長い女性や
「ノン!」と声高に言う技師の登場する漫画を抜けると
そこはカヌーの紹介コーナーにたどり着いた。
…これは何の雑誌なのか。
「カー&カヌー 男の新しい冒険はこれ」らしい。

以下、真剣にカヌーについて述べているが、
「カヌーの重量は30kgと軽いから、女の子でも運べる」のか?
「ルーフキャリアがあれば車でどこへでも持っていける。
 軽いからあおられることもない           」
軽いほうが煽られる気がするのだが。

そのコーナーが終わると、一転して怪しい写真が載り
「オート*ラブ」なるものの特集が組まれている。
「オート*ラブとは何か」と思いページをめくると
「カーセックスというのはどうもシメっぽくて嫌奈言葉。
 そこでオート*ラブという新語を作ったけど、お気に召したかどうか」
とある。「*」はないとダメらしい。
オート*ラブという言葉が出てくるところに*はある。

オート*ラブの理想的なファッションは浴衣らしいが、
浴衣で車を運転する人を僕は見たことがない。
そして、車のルームランプはマジックなどでピンクに
塗り替えてしまえば雰囲気が出ていいらしいが、
その人は出勤でも買い物でもドアを開けるたびに
ピンク色の光に照らされることになると思うとやるせない。

その次のページに、オート*ラブのために
是非携帯したいもののリストがあるのだが、
総勢56品。少し多すぎやしないだろうか。
品目は、変なものを抜粋すると

・木刀 
・ビニールマット 
・みかん 
・カタカタ 
・ヒューズ 
・ファンベルト 
・聖書  
・ソロバン
・ヒモ又はナワ
・大きな飴玉
・赤旗

上記のものをどう使うのか説明してほしい、と思ったら
みかんだけは解説が書いてあった。
夏みかんを出して皮をむいてあげると、彼女は突然のことに
当惑するが、翌日彼女はキミを「彼」として
自慢しまくるに違いないらしい。
夏みかんの皮をむいてあげる、という簡単なことをする男を
「優しい男性」と考え、待ち望んでおり、感激してしまい、
優しい彼から優しくされた嬉しさを独り占めにできず、
友達に優越感を持って話したがる、らしいのだ。

…この妄想力には舌を捲くばかり。
他の物品については、「次号説明しよう」

僕は「ドライブ野郎BOOBOO」2号以下を求めて
日々を彷徨ってます。
もしお心当たりのある方、ご連絡ください。


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