今日、小学校からの友達とメールをしていると、
過去の僕の過ちをまたいくつか穿り返されて頭を抱えた。
…1つここで供養したい。

中3の夏の曇りの日、僕は友達I、K、Hと4人でプールに行った。
そこは流れるプールとウォータースライダーくらいのプールで
小さい子でも平気なように浅めに作られている。
そのため、中学生くらいになると少々物足りないのだが
別のプールとなると1時間くらいチャリを漕ぐので
結局みんなここに来るのだった。

とっとと着替えて、まずは水に慣れるためにも
流れるプールで漂う。
浅いとは言っても、泳げるくらいの深さはあるし
仰向けになって漂っても気持ちいいものだ。

20分くらい漂って、我々はウォータースライダーに向かった。
100Mと150Mがあるが、当然150Mに向かう。
僕は小2の頃、当時住んでいた高知のプールで
ウォータースライダーを7往復とかしていたので
自信はあった。

僕が最後に滑ることになり、友人達は滑り降りていく。
滑り口に座ると、高いところのためか風が強く水も冷たい。
スタートの合図が出て滑り出すと、思ったよりスピードが出ない。
昔の記憶だと、もっと勢い良く滑ったのに。

こんなものか…と落胆していると、途中で止まってしまった。

僕がこの時、どれだけ慌てふためいたか想像して頂きたい。
ウォータースライダーで、止まる。途中で。
今までこんな人見たことないし、自分でも初体験だ。
進んだ距離は50メートルくらいだろうか。
と言うことは、あと100メートル先が残っている…。

ここは救助に来てもらえる高さではないし、
救助に来てもらうと逆に恥ずかしい。
となると。現状から逃れるには、手で漕いで前に進むしかない。

僕はえっちらおっちら手で漕ぎ始めた。
風が一段と冷たく感じられる。
足元を流れていく水はこんなに軽やかなのに、
僕は何故こんなに愚鈍なのだろう。

2分ほどかかって降りついてプールに沈んだ。
前に立ちはだかる友人たち。言いたい事はわかっている。
だが、「ギャラリーできとった」と聞いたときには
流石に力なく笑いを浮かべながら肩を落とした。

挫けてしまいそうだったが、このまま笑われ者でいられるものか。
僕はリベンジを決意し、また階段を上っていった。

「顛末が見たいからお前1番に滑れ」と言う
友人達を押さえてジャンケンをし、2番に滑ることになった僕。
再びウォータースライダーの前に立ちはだかった。
このにっくき敵め。今度こそ引導を渡してくれよう。

先ほどより緊張した心境で座る。成功させなければ。
意を決して、勢いつけて滑り出す……

と、今度は5メートルで止まった。

後ろを振り向くと、友人たちが笑い転げている。
5メートルだし、また上ろうとも考えたが風も強いし
足元も滑りやすい。もし落ちたらまず助からない。
こんなことで、四国新聞、もしも全国紙に
名前が載ってしまったら成仏できない。

僕が出来ることはただ1つ、手で漕ぐことだけだった。

こんなことで後ろの客の足止めをしていることを
申し訳なく思いながら、腕が明日筋肉痛になることも恐れず
少しずつ前進していく。

とても長い時間を過ごしたかのような錯覚に襲われつつ、
下のプールに沈み込んだ。
その数十秒後、友達が勢い良くプールに飛び込んできて
僕に告げた。「3分20秒」
僕は項垂れるしかできなかった…。

それから、ウォータースライダー恐怖症になりかけたのだが
騎手は落馬してもすぐ馬に乗らないともう2度と
馬に乗れなくなるかもしれないと言う。
もしここで僕が臆して帰ってしまったら、
2度とウォータースライダーも滑れないのではないか。
友人が意味ありげな笑顔で促したのもあり一念発起。
もう一度滑ろうと階段を上る。
しかし、さすがに対策を練ろうと、15にもなって
ウォータースライダーの上手い滑り方を監視員さんに聞いた。
そのとおり滑ってみると、とても勢い良くプールに
飛び込んだではないか。
感動して、何度も滑りなおしたところが子供っぽい。

こうして、いろいろと心の中で微風から突風まで
吹き荒れた1日だったが、
最終的には嵐も去り、晴れやかな気分で帰途についた。

週明けの登校日、僕が笑いものになっていたのは
言うまでもない…。


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